「へー、あの馬鹿共、そんな別れ話してたんだな」
教室に行き、早速世那に朝の出来事を伝えると興味が無さそうに頬杖を付いていた。
「へーって…どっちとも世那さんとは因縁があるというか、何とも言えない二人じゃん?もう少し反応が欲しいというか…」
「俺を逆恨みで殴ってきた勘違い男と、俺と付き合ったぐらいで有頂天になった勘違い女が痴話喧嘩してただけだろ?どうやって興味もてって言うんだよ」
逆にそのラインナップでどうすれば興味を持たないという選択になるんだろうか。
世那は欠伸をしながら、ん、と私に手を差し出してきた。
「?なんでしょう?」
「弁当。作ってきてんだろ?」
「あぁ、それね…」
はい、と世那の分の弁当を渡すと、世那は満足そうにニコリと笑ってくれた。
最近の世那は珍しくやけに素直で、こっちもドギマギして対応に困ってしまう。
普段懐かない猫が甘えてきたみたいな感覚に近い気がする。
「世那さん最近機嫌良いですねぇ」
「んー?そう見える?」
「見えます見えます、こんなに笑ってる世那さん久しぶりだよ」
「お前は俺が笑ってる方が嬉しい?」
何とも含みのある質問だが、正直に「もちろん」と応えると、世那はカラコロと鈴を転がすように愉快に笑った。


