「じゃあ、逆に私が世那の言うこと全部聞いてたら、世那は私に隠し事をしないってこと?」
「お前はどうせ俺の言うこと全部聞かないだろ」
「もしもの話だって…」
世那は少し考え込むように顎に手を当てた。
「……もし、お前が絶対に俺の言う事を聞いて、俺から離れないなら…そうだな、言ってやっても良いって思うかもな」
「うーん……そこまでしないと言えない事なんだ…」
皆目見当もつかないけど、本人がそこまで隠したがってるなら無闇やたらに詮索するのも悪いかもしれない。
それに、今日の世那は特別子供っぽい所がある。
喧嘩したてだから離れないか不安だったりするのかな。
世那の肩に手を置いて、笑顔を作ってみる。
「まぁ、世那さんが何を考えてるのか分からないけど…私は世那さんの味方ですから」
「……お前急になに?気持ち悪いなぁ…」
「なんか不安なのかなって思ったから…だから、真堂とかそこら辺の事は気にしなくて良いんだよ」
「なに俺のこと分かった気になってんだよ、鬱陶しいやつ」
世那は面倒臭そうに私の手を振り払った。
でも表情が安心したように、頬を緩ませていたのを見てきっと間違いでは無かったんだと思った。
「お前こそ、面倒な事考えてなくて良いんだよ」
「私は、別に考えてないけどなぁ…」
「お前は、ただ俺とずっと一緒に居れば良いだけなんだから」
夕日に照らされて表情が見えなかったけど、きっと世那の顔は笑っていたと思う。


