気まぐれ王子と召使い


「真堂と言えば、最近"三木雫"が真堂に会いに来てんだよ。確か、世那の元元カノだったんだっけか?」



思わず弁当を食べる手が止まる。

(丁度休み時間に水瀬ちゃんが言ってやつか…)

チラリと世那の様子を伺うと、世那は甲斐君を横目で見て面倒臭そうにため息をついた。



「あー…そんな奴も居たっけ」


「桜木先輩の前に付き合ってたブロンドヘアーの子だよね。世那はその子ともう交流はないの?」


「ある訳ないじゃん。顔すら思い出せないっつーの」


本当かなぁ。
短かったとは言え、1ヶ月付き合ってた子だ。顔も忘れるってことは無いと思うんだけど…

疑い深く世那を見ていると、私の視線に気付いたのか世那は少しムッとしたような顔をした。


「なんだよ、その疑いの目は」


「えっ、いや、別に……」


「……つか、交流があったとして、お前らになんの関係があんの?」


「そりゃ無いけど……」



無いけど、なんか引っかかるんだよなぁ。

別のクラスの子がわざわざ真堂に会いに行くかな?
水瀬ちゃんの言い方だと、つい最近急に接点を持ち始めたみたいだし。


(世那はダメって言ってたけど、真堂に直接聞いてみたいな…)


もしかしたら、真堂から三木雫に近付いてる可能性もある。

放課後、世那にどうにかバレないように真堂に接触出来ないか画策してみよう。

煮えたぎらない私の態度に痺れを切らしたのか、世那は拗ねたようにそっぽを向いてしまった。

また喧嘩しないように今度は慎重に動かないと。