気まぐれ王子と召使い




「いや〜本当良かった!夕香里ちゃんと世那が仲直りしてくれて!」


昼休み。

ニコニコとした顔で上機嫌に話す甲斐君に何とも複雑な気持ちになる。


「良かったじゃねーよ。お前なにこいつに俺が命令したことバラしてんだよ」


「なっ!そ、そりゃ仕方ないだろ!あんなおっかない所で一晩過ごせって脅されてたんだぜ!?おまけに今だって真堂と水瀬に"禊の時間"とか言われて良いように使われてんだから…」


夜中の旧校舎の隠し部屋で一晩は流石に私や真堂でも無理だと思う。

ブルっと体を震わせて怯える甲斐君に世那は終始呆れ顔だ。


「お前ってそんな派手な頭してる割には変な所で気が弱いよな。そんなんだからあの"詐欺師"に良いように使われんだよ」


「詐欺師って…真堂のこと?」


「そー。人の弱みを握って自分に有利な状況を作るってのは詐欺師の十八番だろ?まさしく人間のクズだな」


はっ、と鼻で笑う世那からは真堂に対しての敵意がヒシヒシと伝わってくる。
真堂が"詐欺師"なら世那は"独裁者''と言ったところだろうか。

"気が弱い"と言われた甲斐君は言い返すでもなくどことなくバツが悪そうだ。



「ち、ちなみに……甲斐君は真堂達にどう良いように使われてるの?」


「え?いや、超しょうもない事だよ。水瀬の愚痴に付き合ったり、真堂の新しい噂の情報収集に付き合わされたりとか」


「真堂も相変わらず噂好きだなぁ」



この間世那にちょっかいをかけたと思えば、もう新しい噂に手を付け始めている。
手が早いというかなんというか。