世那は前みたいに授業を抜け出さなくなった。
相変わらず授業中は寝ていたり携帯で誰かと連絡を取っているようだけど、それでも喧嘩していた時みたいにしょっちゅう抜け出すなんて事は無くなっていた。
だけど、喧嘩した時の事をまだ気にしてるのか、昼休みに「罰として飲み物を買ってこい」と世那に半ばパシリのように命令された。
「そんぐらい自分で買ってくれば良いのにさ〜」
そう言いながらもミルクティーと炭酸飲料を持ってる私は、どこまで世那に甘いんだろうと自分でも呆れ果てる。
『次真堂と関わったら、絶対に許さないから』
いつまで私は世那の言う事を聞いてるつもりなんだろう。
確かに真堂は世那の秘密を知ってるみたいだし敵視する理由も分かるけど、私が関わるのすら制限するなんてちょっとめちゃくちゃだ。
めちゃくちゃだって分かってるけど…
そう考え込んでいる時、ふいに首根っこを軽く掴まれる。
「ぐえっ、な、なに?」
カエルのうめき声のような声を出しながら後ろを振り返ると、そこには水瀬ちゃんが不機嫌そうな顔で立っていた。


