気まぐれ王子と召使い


「それでも、世那が居ないと寂しいよ…」



ポツリと口から漏れた言葉に世那は目を見開き、美しい瞳に私だけを映した。
そして、目を細めて満足そうに口元に笑みを浮かべる。



「……は〜あ……お前って、本当に俺が居ないと駄目だなぁ」


「そ、そんなに駄目かな……」


「駄目だよ、お前は俺が居ないと駄目だ」



そう言って世那は手を緩く差し出して、ん、と短く声を発した。



「せ、世那さん……!」


「おら、お前の泣き言に免じて許してやるよ」



ぐいっと差し出された手に、心が段々と暖かくなる。

おずおずと手を差し出すと、世那はパン、と軽く私の手を叩いた。
昔からやる、仲直りの合図みたいなものだ。


なんとなく照れ臭くなって、えへへ、と頬をかくと世那はいつもと変わらない笑顔を見せた。



「今回は許してやるけど、次はないからな?」


「へ?」



「次真堂と関わったら、絶対に許さないから」




ふわりと優しく微笑んでくれる世那に、私は口角を無理矢理あげることしか出来なかった。