「名前と目的を言え。じゃないと、朝まで開けてやらないからな」
「し、真堂ぉ!!ごめん!俺だよ、甲斐!!甲斐友洋!!」
へ?
「か、甲斐君!?」
「なんだ甲斐か。お前何してんだよ」
呆れたような真堂の声に、甲斐君は必死に扉の向こうから声を出していた。
「り、理由は言えない、けど!ちょっと二人を驚かせようと思って……でも、怪我をさせようとかそういうつもりはマジで無い!!これは本当に大マジだから信じてくれ!!」
「この期に及んでまだ理由も言えないのか。一晩ここで過ごしたらお前の考えも変わるか?」
「まま待て!!分かった!言うよ……!!世那だよ!世那に頼まれて来ただけだよぉ…」
後半は涙声になって聞こえなかったが、ひたすら私たちに懺悔のような言葉を言っているのはなんとなく分かった。
だが、問題は前半の言葉だ。
「せ、世那に……?」
「うぐっ、そう……、やっぱり、世那は夕香里ちゃんが心配だったみたいで、俺に後を付けるように言ってたんだ……そんで、せっかくならこれ付けてビビらせろって……」
あまりにもくだらない内容でポカンと口を開けてしまう。
こんなことを命令する世那も世那だけど、実行する甲斐君もかなりおかしいよ…
「なぁ真堂!開けてくれ!俺、本当狭くて暗いとこマジで無理なんだっ!」
「よくその精神力で夜の旧校舎を一人で来れたもんだな。ま、良いけど」
そう言って、真堂はカチャリと音を立ててドアノブをひねり、勢いよく甲斐君が飛び出してきた。


