気まぐれ王子と召使い



「落ち着けよ、山吹。なんとかなるから」


「どどどどどうやって!?!?」


「だから落ち着けって。良いか?あのガスマスクが来たら、俺がライトを投げ付ける。そしたら二人であのガスマスクを押してここを出るんだ」


「いや!でもっ!!すすすぐに、あいつ追ってくるんじゃ!!」


「大丈夫、策があるから」



頭を押さえながらも余裕綽々と言うように私にウインクをして見せると、真堂はライトを手に持ちながら狙いを定めるように真剣に前を見た。


ガスマスクの男は隠し通路の前に立っており、私達を見つけた途端、早歩きで部屋の中に入って来た。


「し、真堂!!」


私が真堂の方を向いた瞬間、真堂は思い切り懐中電灯をガスマスクの男の頭に投げつけた。


「いっってぇ!!」


悲鳴を上げながらよろけるガスマスクの男を見て、真堂は「今だ!」と声を上げた。


その声に覚悟を決め、私は真堂と二人がかりでガスマスクの男に思い切り体当たりをした。

ガッシリとした体付きをしているようだけど、流石に二人がかりでは適わなかったのかバランスを崩したようにドタッ!と男は床に倒れ込んだ。