気まぐれ王子と召使い



真っ暗な暗闇の中でジンジンと全身に痛みを感じながらも少し冷静になる事ができ、ようやく周りを見渡す事が出来る。


ホルマリン漬けがされた瓶と、標本の数々が壁一面に飾られている。

間違いない、ここが噂の隠し通路だったんだ。



「いってぇ……っ」


隣から呻き声が聞こえハッとなり隣を見ると、右手で額を抑えながら痛そうに顔を歪ませる真堂が居た。



「し、しし真堂!!だ、大丈夫…!?」


「大丈夫っちゃ、大丈夫だけど……あー、頭思いっきり打ったわ…」



チッと軽く舌打ちをして忌々しく隠し通路の方を見つめる真堂。

先程の事を思い出して、サーッと血の気が引いていくのが分かる。

そうだ、私達はさっきガスマスクの奴に…!


カツン、カツン、と私達の方に足音が近付いてくる。


隠し通路の向こう側から徐々にガスマスクの男がこちらに近付いてきているのが見て取れる。



「ししし、真堂!!ど、どうしよう!!!!」



パニックになってガスマスクの男と真堂を交互に見てる私に、真堂は煩わしそうに指を口元に持って行った。