気まぐれ王子と召使い



ギッ、ギッ、と耳障りの悪い音を立てながら開く扉の中を入っていき、不自然な点がないかライトを照らしながら探していく。

すると、突如不気味に浮かび上がった人型のシルエットが出てくる。


「うわっ!」


驚いて悲鳴をあげながら後ずさりをすると、そこにはただの人体模型があるだけだった。



「人体模型にビビんなよ」


「いや、こんな暗闇の中で人型のシルエットがあったらびっくりするって……」


「……ん?なんかこれ……、」



真堂がそう言いかけた時だった。

コツン、と足音が一つ、生物室の扉から聞こえた。
真堂と私は扉からはだいぶ離れており、それは明らかに第三者の足音であることが分かる。


バッと、扉の方を二人して振り向く。


そこには、水瀬ちゃんや琥珀君……ましてや教員の姿がある訳でもない。

ガスマスクのような物を付け、全身黒ずくめの大男が私達をジッと見つめていた。