気まぐれ王子と召使い



「えっ、駄目?」


「そりゃ駄目だろ。涼井に殺される」


「……そ、そんなヤバい話なんだ……」


「ヤバい話っつーか、なんつーか、ね?」



ヘラりと笑いながら答える彼の真意は測り兼ねる。
私にバレたくない事って、全く見当もつかない。



「真堂は……なんでそのことを知ってるの?」


「俺は知り合いから聞いただけ。だから詳しい事は知らんな」


「……ちょっとだけ教えてもらうのは……」


「無理だって。小出しにして当てられたら意味ないだろ」



それはその通りだと思う。

こう見えて真堂は結構口が堅いから、余程のことがない限りは話してくれなさそうだ。

真堂は話題を変えるように「もう少しで生物室だ」と前に向き直った。



「ここにあると良いな」


「……そうだね」



木が腐り、立て付けの悪い生物室の扉を開ける。