「もう大丈夫だ、立って良いぞ」
「ひ、ヒヤヒヤしたぁ……生きた心地がしなかったよ…」
「……大丈夫?水瀬さん……」
琥珀君の心配そうな声に二人で顔をそっちに向けると、水瀬ちゃんは足を震わせながら涙目で私達の方を見ていた。
琥珀君から貰ったお守りを握りしめながら震える姿は明らかに大丈夫ではなさそうだ。
「も、もう無理……っ、か、帰ろうよ真堂ぉ……」
「なんだよ水瀬。もうギブアップか?」
困ったように笑いながら言う真堂に、水瀬ちゃんはなんとも言えない微妙な顔をした。
多分、真堂は帰るつもりはない。
ついでに言うと、私もその噂が本当かどうか確かめるまではあまり帰ろうと思っていない。
そうなると、水瀬ちゃん一人だけ帰るか、渋々皆で諦めるかの二択になってしまう。


