気まぐれ王子と召使い




「夕香里ちゃん、これどうやんの?」


「あぁ、これはこの公式を当てはめれば……」


「……ごめん、説明聞いても全然分からん」



数学の教科書を見て頭を抱える甲斐君と、その状況を見て頭を抱える私と、そんな私達を興味無さそうに見てる世那。

それが今の勉強会の状況だ。



「……お前らまだ終わんないの?」


「ちょっと待ってくれよ世那ー、もうちょいで中間テストの試験範囲終わるから」


「おい下僕、さっさとこの馬鹿に教えて終わらせろよ」


「やってるよ、勿論。でも人には人のペースというものがあって…」


「はぁ?なに一丁前に反論してんの?」



あ、不味い。どんどん機嫌が悪くなってきた。

思ったよりも勉強に時間がかかるのが気に入らないのか、整った顔を微かに歪ませ小さく舌打ちをしている。

世那からしたら二人用のゲームをするって言うのが目的かもしれないけど、私と甲斐君は本来の趣旨の勉強が目的だったんだからそう怒らないで欲しいものだ。



「そんなに怒らないでくださいよ世那さん……あ、なんだったら私、なにか作りましょうか?」


「筑前煮」


「またそんなヘビーな物を……」


「冗談、オムライスが良いなー」


「了解いたしました」



私が作ってくるとわかるやいなや上機嫌でオムライスをリクエストしてきた。

こういう所は素直で可愛いんだけどなぁ。