きみの春に、溶けていく

バァン……!!
いきなり壁を思い切り叩く朔。

「なんで、なんで薬を使わないんだ。なんで、なんで灯ばかりが悲しい思いをくりかえさなきゃいけない!! どうせ思い出したって……っ」

「朔……ごめんね」

朔は泣いてる。

「どうせ思い出したって、両親の身体が真っ二つになってたり、あとは僕の恥ずかしい過去くらい。そんなのより、これからの灯が大事なんだよ!!」

「私、泣くのが得意なの。だからグロいの思い出すくらいなんでもないし記憶が無くなるのだっていい。でも、本当は朔との思い出だけは誰にも渡したくない!」

「灯……!」

「だって、私を、いつまでも変わらないありのままの私を好きだって朔に思っていて欲しいから!!
これは神様からのプレゼント、なんでしょう?」

朔は思い切り抱き締め返してくれる。