しーちゃんのばか。


なんでこう…私の事をちゃんと捕まえておいてくれないかなー。


ほら、見なよ。
何時もしーちゃん以外の前では鉄仮面の私。
それが、滅茶苦茶イライラしてる姿を目の当たりにして、廊下を歩く人達(先生含む)が、驚いたようにどんどん道を開けていく。


一目惚れ?
はぁ?
なにそれ?
だから、何?

つーか。


そんなのカンケーねぇー!でしょーが!


私は、そのままトイレをスルーして、保健室へと足を向ける。

信じてる。
信じてるよ?

しーちゃんが、私以外を見ないって。
私を絶対に離さないって…。


だけど、さぁ?


「あこちゃーん!」

「もー!しーずーとくんってば!」


この、空気読めない系ギャルを、なんとかしてよ、と思うわけだよ、私は!


私のしーちゃんに勝手に触るな。
私のしーちゃんに気軽に話し掛けるな。



…と、思っていたら、なんだか凄く疲れて、妙に冷静になってしまった。


いや、これ…あくまでも、関係を拗らせたいとかじゃなくて、他の子みたいにばっさり断ち切って、私だけの元に来ないしーちゃんのせいにして、本当は自分を責めているだけ…。