「護」
驚いた表情に見えた護くんはいつの間にか普通の表情に戻っていて、本間社長に声をかける。
「本間社長、お疲れ様です」
「ははっ、もっといつも通り気軽で良いよ」
その会話で護くんと本間社長が顔見知りだと分かる。
「想代もお疲れ様」
本間社長は私の三歳年上で一年間だけ大学在籍期間が被っていた。
同じ大学で同じサークルではあったけれど、特別仲が良いというほどではなかった。
だからこの会社に入社して初めてすれ違った時に「想代」と大学生の時のように呼ばれて驚いたことをよく覚えている。
それに私の勤める会社は社員数が多く、普通だったら本間社長が私の顔を覚えているはずはない。
それでも社長は凄い人でこうやって社員のことを覚えてくれていて、社内ですれ違うと声をかけてくれる。
「想代。そういえば、前回の商品もアイデアが素晴らしかったよ」
「ありがとうございます……!」
名前呼びなのに、立場も会話の雰囲気も社長と社員で今でも不思議な感覚になってしまう。
しかし社長にそんなことを言われれば、モチベーションが上がらない訳はなかった。
驚いた表情に見えた護くんはいつの間にか普通の表情に戻っていて、本間社長に声をかける。
「本間社長、お疲れ様です」
「ははっ、もっといつも通り気軽で良いよ」
その会話で護くんと本間社長が顔見知りだと分かる。
「想代もお疲れ様」
本間社長は私の三歳年上で一年間だけ大学在籍期間が被っていた。
同じ大学で同じサークルではあったけれど、特別仲が良いというほどではなかった。
だからこの会社に入社して初めてすれ違った時に「想代」と大学生の時のように呼ばれて驚いたことをよく覚えている。
それに私の勤める会社は社員数が多く、普通だったら本間社長が私の顔を覚えているはずはない。
それでも社長は凄い人でこうやって社員のことを覚えてくれていて、社内ですれ違うと声をかけてくれる。
「想代。そういえば、前回の商品もアイデアが素晴らしかったよ」
「ありがとうございます……!」
名前呼びなのに、立場も会話の雰囲気も社長と社員で今でも不思議な感覚になってしまう。
しかし社長にそんなことを言われれば、モチベーションが上がらない訳はなかった。



