「ま、前田さん…?」

前田さんは体を八つに分解されて、目がほじくられていて…なんとも悲惨な姿だった。



前田さんの目は、地面に転がっていた。


それなのに、目をぎょろっと動かして俺と目を合わせる。



俺は恐怖で声すら出なかった。

というか、なぜか前田さんから目が離せなかった。



吐き気がして、口元を手で覆った。


なんとも言えないこの表情。


前田さんは、目から血を流しながら必死に何かを訴えていた。



だが、俺には聞き取れなかった。


しばらく見ていると
排水溝から手が出てきて、前田さんを引きずり込んだ。

「イヒヒヒヒ…」


そんな声と共に、前田さんはいなくなってしまった。



やっと俺の足が動いた。



俺は震える足で、有田さんの元へ向かった。