それよりも前田さんが心配だ。


何より道端で嘔吐されたら困る。



それならせめて、ウチのトイレでしてほしい。

「前田さーん!」



外に出て前田さんを探す。



「原野くん?」


前田さんの声だ。


「おーい、こっちこっち」

俺は声がする方に走って行った。


「おーい、こっちだよー」

「今行きますって」


声はアパートの裏から聞こえる。



俺は走って裏に向かった。


だが、
そこで俺が見た前田さんの姿は、とても悲惨な姿だった。