鍵を開けて中に入る。


「お邪魔しまーす」

「ちょっとちょっと、自分の家なのにお邪魔しますって何よ」


前田さんはケラケラ笑っている。


俺もつられて笑った。




「それにしても、なんか不気味だねー」


部屋の中は薄暗く、異様な臭いがする。


「ん?なんだあれ」

前田さんが指さす方を見ると、和室の畳に黒いシミが広がっていた。



よく見ると、人の形だった。


「オェ…」


前田さんは気分が悪くなったのか、口を手で押さえて部屋を飛び出した。



本当に気味が悪い。


これは気分が悪くなってもおかしくないだろう。