「どうぞ」


有田さんはファイルを手渡してきた。


「さっ、どこにしようかねー」



前田さんは楽しそうに、ファイルをペラペラとめくった。


「おっ、こことかどうだい?」

前田さんが指さしたのは、見た目から事故物件って感じの古いアパートだった。




「ここ住むの!?このアパート、事故物件の中でも最恐なんだよ。
住み始めても、みんな三日でギブアップするんだ」


やっぱり幽霊は存在するのか…?



でも逆に、こんな恐ろしいところで一週間やり過ごせたら
有田さんをビックリさせられるかもしれない。


「ここにします!」


俺はすぐに手続きを済ませた。


「じゃ、これ鍵。無くさないようにねー」

「ありがとうございます」



俺は鍵を受け取って、早速アパートに向かった。