例えこの空が晴れなくても



「あぶなーい!」




バンという音と共に、私は尻餅をついた。



「大丈夫か!?」


陸はすぐ駆け寄ってくれた。


「うん、大丈夫」




とは言ったものの、顔がヒリヒリと痛む。



「赤くなってるじゃねーか。保健室行くぞ」


陸に付き添われ、保健室に向かった。





「失礼します」




保健の先生はいなかった。





「誰もいねーのかよ。まあいいわ。そこ座って」



陸は私をソファに座らせると、保冷剤を出してティッシュで包み、手渡してきた。





私は「ありがとう」と受け取った。



「俺は戻るからお前はここで休んでろ。先生には俺から言っておく」





私が返事をする間もなく、陸は去った。