病院につき、手術室の前の椅子に座る。
間もなくして、私のお母さんと優の両親が来た。
「愛菜!」
お母さんは私を見つけるなり、ギュッと抱きしめた。
優のお母さんは泣いていて、その肩を優のお父さんが抱いていた。
「なにがあったの?」
私のお母さんが聞いてきた。
私は優が事故に遭うまでの経緯を話した。
すると、工事現場にいた一人が来た。
「申し訳ございません。私がうっかり手を滑らせてしまったせいで…」
深々と頭を下げた。
「お前何やったかわかってんのか!俺の大事な一人息子が命の危機なんだぞ!」
優のお父さんが怒鳴った。
工事現場の人は「すみません」と謝り続けていた。
しばらくして、医師が出てきた。
「最善を尽くしましたが…」
優は助からなかった。
優のお母さんはその場に崩れ落ち、優のお父さんは頭を抱えた。


