例えこの空が晴れなくても

ガタン

ドン

大きな音と共に、大きな鉄材が倒れた。

「人が潰されたぞ!」


「早く!救急車!」


それはたった今、彼が歩いて行った方向での出来事だった。





「優…?」


私はすぐ駆け寄った。





「優、優!」


何度名前を呼んでも、返事はない。




工事現場の人が鉄材を拾い上げ、悲惨な姿の優が現れた。





すぐに救急車が来て、私も一緒に乗せられた。