〇学校/外
誰もいない体育館の裏側で抱き合う2人。ドキドキした空間、少し離れて見つめ合ってキスしよう近付く。
校内放送「ピンポンパンポーン!持田彩人くん、持田彩人くん至急体育館まで戻っきて来てください!!」
ビクッと震えて目を見合わせる。
彩人「やべっ!ミスタミスコン忘れてた!」
凛真「あっ、そういえば途中…!」
凛真(待って体育館って今どーなってるの!?どんな空気なの!?戻りずらい…!)
急に恥ずかしくなってあわあわ。
彩人「まぁいいか!」
凛真「え?」
彩人「行こう!」
凛真「えぇ!?」
凛真をお姫様抱っこをしてその場から離れる。

〇学校/教室
模擬店の終わった静かな教室に2人きり。
彩人「ねぇ凛真、俺のお願い聞いてよ」
凛真「今!?」
お姫様抱っこから下す。
お願い事(彩人『じゃあ俺の言うこと1つ聞いて?』)のことを思い出してドキッとする。
凛真(な、何をお願いされるの…?2人きりだよ?誰もいない教室で彩人と2人きり…)
彩人「聞いてくれる?」
ずいっと凛真に近付く、ドキドキーッと胸が鳴る。
凛真(な、何を!?何をさせられるの…!?)
次のカットでピンクのドレス着てる凛真、恥ずかしそうに頬を染めて。
彩人「最高(ペロッと)」
凛真「…私には着なくていいとか言ったくせに」
彩人「当たり前だろ!」
凛真「わっ」
彩人に抱き上げられる。
彩人に「こんな可愛い姿俺以外見せるわけいかないだろ」
凛真「……。」※ちょっと不服そう
凛真(そんなこと言われたら私だって彩人に王子様衣装なんて着てほしくなかったよ…)
凛真「私としか写真撮らないって言ったのに」
彩人「撮ってないじゃん、誰とも」
凛真「…ほんとだ!!」
凛真(誰とも一緒には撮ってない、全部撮らせてただけで…いや、それもちょっとあれだけど!)
彩人「凛真しかいらないもん、凛真だけいてくれたらそれでいいよ」
目を合わせる、恥じらいながら。
凛真「…彩人はお母さんが好きなのかと思ってたの、私」
彩人「なわけあるかよ、マザコンかよ(眉間にしわを寄せて嫌そう)」
凛真「だって楽しそうに喋ってたし…」
彩人「相手しないとうるさいんだよ、あれは俺の演技力だ」「すごいだろ!」
凛真「あの時も…っ!」
彩人「あの時?」
凛真「さみしそうな顔、してたから…」
彩人「…。」
凛真を下ろしてドレスを整えてあげる。
彩人「(ふぅと息を吐いて)あれはそんなんじゃないから」
凛真「でも…」
彩人「あれはこのあと予定って言ったからまた男と会うんだなーってうんざりしただけ」※さらに嫌そうな顔
彩人「取っ替え引っ替えしてこりねーなと思ったんだよ」「さみしーわけねぇだろーが」
凛真「だって…っ(気まずく目を泳がせる)」
彩人、一瞬目を伏せる。
彩人「でも…嫌いじゃないよ、母さんのことは」「母親だし?一応」
凛真と目を合わせる。
彩人「だけど俺が好きなのは凛真しかいないから」
凛真「彩人…」
また涙が溜まり始める。
彩人「凛真しかいないんだよ、最初から」
キスをする2人。

〇通学路/朝
登校中の2人、並んで歩く。
凛真モノ『昨日と同じ道のりなのに、今日からは全然違って見えて』
とんっと彩人にぶつかる凛真。
彩人「凛真大丈夫?」
凛真「大丈夫!」
凛真モノ『今日からは彩人と恋人として学校へ行くんだと思ったら』
凛真(なんかちょっと緊張する…!ただ隣歩いてるだけなのに緊張する!!)
チラッと彩人の手を見る。
凛真(恋人だったら…手は繋ぐのかな?)(でもきっと彩人は…)
顔を上げて彩人を見る。
彩人「なに?」
凛真「ううん、なんでもない!」
凛真(きっとそれは変わらないよね…?)(よくないよくない!無理はさせたくないもん…)

〇学校/教室
教室に入った瞬間、樹音「彩人と付き合い始めたんだってー?」
凛真「なんで知ってるの!?」
樹音「(スマホ見せながら)彩人からクラス全員に連絡来たよ」
凛真「(彩人の方を見て)何してるの!!?」
彩人、にこって笑う。後ろから凛真をバックハグする、心平を威嚇しながら。
彩人「つーわけでこれ以上何もしてこないように」
心平、不満げな顔。
凛真「彩人何言ってるの!?心平くん困ってるじゃん!」
彩人「なんで?なんであいつのことかばうの?凛真はあいつのことが好きなわけ??」
凛真「どうしてそうなるの!違うでしょ!」「心平くんは友達なんだから!!」
グサッと刺さる心平、ちょっと涙目。
彩人、ニヤッとして。
彩人「え、なんて?聞こえなかったもう1回言って」
凛真「聞こえてたでしょ!」
心平「サノリマ聞こえてた、ちゃんと聞こえてた…」
彩人「もう1回聞きたい♡もう1回♡」
凛真「しつこいなぁ…だから心平くんは友達だって言ってるよね!」
彩人「も1かっ」
心平「何度も言わせなくていーんだよ!!」※泣いてる 
樹音「ねぇねぇそんことよりも」
心平「そんなことってなんだよ!」
樹音「今日みんなで遊んで帰らない?文化祭も終わったしみんなで打ち上げ~!」
凛真「行く!楽しそう…!」「彩人も行くよね?」
彩人「凛真が行くなら」
樹音「心平も行くでしょ、凛真が来るなら」
心平「……。」
凛真「え、ごめん!私心平くんに何かしたっけ!?ごめんねっ」
心平「謝らないでサノリマ、謝られると余計つらい…(ぐすん)」
彩人「やっぱ友達は大事にしないとだからな~!(にっこり)」
凛真(彩人がそれ言うんだ)

〇遊んでる風景
みんなでボーリングしたり、カラオケしたり、プリクラ撮ったり…絶対心平を近付かせないようにする彩人、ずっと笑って楽しそうな凛真と樹音。見開き2ページ使って仲良く遊んでるようなイメージで。

〇帰り道/夕暮れ
凛真「じゃあ私たちこっちだからまた明日ね~!」
樹音「うん、明日~!ばいばーい!」
心平「またな~」
手を振って、凛真彩人と樹音心平に分かれる。
凛真彩人が歩いていく後ろ姿を見て。
心平「…2人って本当に付き合てんだよなぁ」
樹音「付き合ってるでしょ」
心平「でも変わってるようで変わんねーし、変わってないようで変わってねぇーし」
樹音「は?何言ってんの?」
心平「いやだってさぁ(涙声)」
いつもの変わらない様子で歩いていく2人、楽しそうに笑ってる。
心平「手ぐらい繋いで帰るかと思うじゃん」「でも繋いでないということは!?」
樹音「ないから、チャンス」
心平「樹音!!!」
樹音「そんなの人それぞれでしょ?」
ふぅっと息を吐いて2人の後ろ姿をを見つめて微笑む。樹音「でも彩人より凛真のこと好きな人なんていなんじゃないの?」
心平「……。」
不服そう、でも2人から目は離さない。
心平「それはそうだな」

〇帰り道/夕暮れ
凛真「今日楽しかったね~!」「彩人ってボウリング上手かったんだね!知らなかったよ!」
彩人「凛真はボウリング下手だったんだね、なんとなくわかってたよ(にこっと)」
凛真「(ぷくっと頬を膨らませて)久しぶりだったの!」
あと少しで日が暮れそうな頃、凛真宅の前に着く。
※凛真は一軒家、彩人はアパート暮らしの家が近所の幼馴染
急にお互い無言になって目を合わせる。彩人にじっと見つめられてドキドキと凛真の心臓が鳴る、そんな雰囲気描写で。
凛真「じゃあ、また明日ね!」
彩人「凛っ」
ガチャッと玄関のドアが開いて凛真母が出て来る。
凛真母「あ、おかえり~!」
凛真「…ただいま」
凛真母「彩人くんもおかえり~」
彩人「あ、はい!ただいま、…です」
凛真母「彩人くん今日お母さんは?」
彩人「あー…たぶんいないと思います」
凛真母「じゃあ夕飯うちで食べていきなさいよ」
どうぞと、ドアを全開にする。
凛真母「今日遅かったのね」
凛真「うん、樹音たちと遊んでた」
凛真母「どこ行ってたの?」
凛真「ラウワン!」
ドアの方へ歩いていく凛真の後ろ、なかなか来ようとしない彩人にもう一度声をかける。
凛真母「今日からあげなの、おばさん作り過ぎちゃったから食べて行ってよ」
彩人「…ありがとうございます」
家の中に入っていく、ドアが閉められる。
凛真母「ご飯もうすぐだからちょっと待ってて」
凛真「うん、じゃあ部屋にいる」
振り返って彩人の方を見る。
凛真「私の部屋で待ってよ」
階段を上がって部屋に向かう。
凛真「行こ」
彩人「……。」

〇凛真宅/部屋
ベッドに丸型ローテーブル、クローゼット、本棚、その上にぬいぐるみが置いてある。
凛真「あ、ちょっと待ってねすぐ片付けるから!」
ローテーブルの上に置いてあった漫画を手に取り、乱れていた布団を直そうとベッドの方へ。
凛真「テキトーに座って!あ、漫画でも読む?これおもしろいんだよ…っ」
急に抱きしめられる、きょとんとする凛真。ベッドに座った状態の2人。
凛真「あの…っ」
彩人「凛真は思ってないかもしれないけど」
凛真「え、…っ」
彩人「部屋行こうとか、そーゆうつもりで誘われたと思うんだけど?」
ぎゅーっと抱きしめられ、手には漫画を持ったまま凛真フリーズ。
凛真「……。」
彩人「…。」
凛真「…。」
彩人「え、マジ!?」
びっくりして手を離す。
凛真「ちがっ、そうゆうつもりとかなかったけどっ」「なかったけど…そーゆうこともあるのかなぁって、…恋人だし(顔を赤くして)」
彩人、ズキュゥゥン!!と胸打たれる。
彩人「あの…それっていいってこと?」
凛真「…ダメってわけじゃ、ないかなぁ」
控えめに上目遣いで見上げる凛真、目を合わせる2人。
制服を脱ぎ(中はYシャツ)ゆっくり凛真に触れる彩人、そのまま押し倒し持っていた漫画が床に落ちる。
ドクン、ドクン、と鼓動が聞こえる。彩人さらに近付いて凛真に触れようと…
凛真「いやぁぁ!」
めいっぱい手を伸ばしてドンッと彩人を引き離す。
彩人「凛真、さっきいいって言ったよね…?」
凛真「あっ、そうじゃなくて!嫌って言うか、その…っ」
起き上がって、真っ赤になった顔を抑える。
凛真「ドキドキして…っ」「彩人とそうゆうことするんだって思ったらドキドキして…どうにかなっちゃいそうで、どうしたらいいかわかんなくなっちゃって…」
凛真「だから嫌とか、彩人に触られるのが嫌とかじゃなくて…触られたらドキドキがやばい(涙目)」
彩人「凛真」
凛真、ビクッと震える。
彩人「俺の胸触ってみて(にっこり)」
凛真「なんで!?いきなりハードル高くない!?」
彩人「いーからいーから、ここ」
トンッと右人差し指で胸の辺りを指して、ねっと頷く。恐る恐る凛真が手を伸ばし、シャツの上から彩人の胸に触れる。
凛真「!」
あっという表情で彩人の顔を見る。
彩人「ね、俺も心臓やばい」「むしろ俺のがやばい」※ドヤァ
凛真「…。」
彩人「俺もドキドキしてるから」「凛真だけじゃないよ」
凛真(彩人の胸から聞こえる鼓動が、愛しいなんて思ってしまった)(こんな気持ちは初めてだったよ)
ゆっくり近付いてキスを…
凛真母「ご飯出来たよ~!」
ビクゥッと震えてそれ以上は何も出来ずに終わる。
凛真「は、はぁい!今行く!」

〇凛真宅/ダイニング
長方形のダイニングテーブルに凛真、隣に彩人。前には凛真母、さらに隣に凛真父。
テーブルにはこんもりからあげ。
凛真母「彩人くんいっぱい食べてね」
凛真「こんなに食べれないよ」「彩人、無理しなくていいからね!お母さん、彩人に食べさせたくてしょうがないの!」
彩人「ありがとうございます、いただきます」
凛真母、嬉しそうに笑って返す。手を合わせて食べ始める。
凛真、からあげを一口で。
凛真(でもお母さんのからあげはおいしいからね、いっぱい食べてほしい気持ちはある)
凛真母「彩人くん、ご飯もいっぱいあるからねおかわりしてね!」
彩人「ありがとうございます」
そんな様子を見ながら、凛真(すでにご飯山盛りなんだけど…)
凛真母「凛真はどうする?もうダイエットはやめたんだっけ?」
凛真父「先月もそんなこと言ってなかったか?」
凛真「彩人の前でそうゆうこと言わないで!!」
凛真母「何よ、聞いただけじゃない」
ぷくっと頬を膨らませて恥ずかしそうにする凛真、それを見てくすっと笑う彩人。
彩人「ダイエットなんかしなくても軽かったよ?」
凛真、ボンッと顔を赤くする。
凛真「そうゆうこと言わないで!!」
凛真母「凛真ご飯中、もう少し静かにしなさい」
凛真父「いいじゃないか賑やかで」
凛真、熱くなってごくんっとお茶を飲む。
凛真母「あ、そうだ」「誠吾(せいご)くんもうすぐ帰って来るんだってね」
凛真「え、そうなの!?誠くん帰ってくるの!?」
凛真母「今週?には戻ってくるって」
凛真母「2年も海外行ってたなんてすごいよねぇ」
凛真父「凛真が海外行ったら寂しいなぁ」
凛真母「そう?私は行くの賛成よ」
そんな両親の話聞いてない凛真(へぇ誠くん帰ってくるんだ、ずっと向こうにいるのかと思ってたけど…そっか、戻ってくるんだ!)※パァと嬉しそうな表情
その表情を複雑そうに見ている彩人。
彩人「……。」

〇空港/ロビー
キャリーバックを引きながら空港をスタスタ歩く、窓から入ってくる太陽の光りに気付き立ち止まる。
誠吾「日本久しぶりだなぁ」
眩しそうに空を見上げる。
誠吾「元気かな、凛真」