軋轢姫は、闇系総長に溺愛される

ふと窓を見上げると、東の空が薄らと白けている。
ムダな1日だったかもしれないし、ふだんと何も変わってないのかもしれないけれど…。

「制服・・取りに戻らなきゃ」

無意識に呟き、寝転んでつむっていた目をゆっくりと開く。
結局、ここでいつの間にか寝落ちてしまった。
根落ちたと言っても、1、2時間、だけど。

悠斗の姿は見当たらない。

どこかに遊びに行っちゃったんだろうか。
何してるのかな?

私は、悠斗の今を何一つ知らない。
どこの高校に通っているのか、とか、そもそも高校に通っているのかとか、親とはどうなってるのか、とか・・・。

私は、重い体にむちを打ち、起き上がった。
べったりとした気持ちがまとわりついてくる。

ベッドから降り、ドアノブをひねると、洗面台の方から歩いてくる40代くらいの女性と目が合った。

(おかあさん・・かな。)

さあっと一気に血の気が引く。悠斗、私のことなんてひとつも説明してないだろうし、ね・・。

女性は、(しばら)くひとみをユラユラと彷徨(さまよ)わせ、ゆっくりと口を開いた。