軋轢姫は、闇系総長に溺愛される

「ねぇ、るーはさ」

悠斗が何かを言いかけたけど、すぐに口を閉ざしてしまった。

「なに?」

「・・・紅と知り合いなのかなって思って」

「・・お店のお客さん?」

そう言うと、悠斗は一瞬髪を結う手を止めた。

「店って・・?あいつが行ってるのなんて、変なバーとかでしょ。バイトするような善良な店なんか行ってるんだ?」

なんか地味にイラつく。

「私、バーでバイトしてるから」

そう言うと、悠斗は声を少しだけ低めた。

「危ないじゃん。だって、帝國の人しか来ないでしょ?」

「うん。でも、短時間で稼げるしさ」

「・・・ふーん、でも、そんなに、稼ぐの?」

「・・・べつに、なんでもいいでしょ。家の都合なの」

ふいっと顔を背けると、悠斗は眉を下げて、「わりぃ」と小さく言った。
それが嫌い。

・・・自分から聞いてきて、
自分から勝手に傷ついて、
みんな、謝っていく。

だから、イヤなんだ。
大袈裟かもしれないけど、私に取ったら、その小さな積み重ねが自分を苦しめているから。