雨の日の翌日。
窓から差し込む光は眩しいのに、心は晴れなかった。
昨日、拓也と一緒に歩いた帰り道を思い出すたび、胸がざわめく。
彼の差し出した傘の温もりは、まだ消えずに残っていた。
「片山」
呼びかけられて顔を上げると、颯真が笑顔で立っていた。
明るい光を背に受けて、いつもの人懐っこさが際立っている。
「お昼、一緒にどう? 新しくできたカフェ、気になってたんだ」
「え、でも混んでるんじゃ……」
「大丈夫、俺が予約しておいたから」
そう言って笑う顔に、思わず胸が温かくなる。
私は頷き、颯真に連れられてオフィスの外に出た。
カフェの窓際の席。
木目調のテーブルの上には、彩りのいいランチプレートが並ぶ。
颯真はフォークを手にしながら、真剣な眼差しを向けてきた。
「片山、最近元気ないよな」
「……そんなことないよ」
「ある。俺、ずっと見てるから」
視線を逸らせなくなる。
颯真は普段ふざけてばかりなのに、この時ばかりは誠実な声だった。
「俺さ……お前のこと、大事にしたいって思ってる」
「え……」
心臓が跳ねる。
颯真の口から出た言葉に、胸が揺れた。
「誰かに泣かされるの、見たくない。俺なら――」
その先を言おうとした瞬間。
カフェの入口に視線をやった颯真が、ふっと言葉を止めた。
つられて振り返ると、そこには拓也の姿があった。
偶然なのか、それとも。
彼の視線が私たちに注がれ、黒曜石のように鋭く光る。
「……」
言葉にならない沈黙が落ちる。
颯真は苦笑し、フォークを置いた。
「続きは、また今度にするよ」
柔らかな声なのに、どこか切なさが滲んでいた。
私は胸の奥がざわめいて、俯いたまま言葉を返せなかった。
窓から差し込む光は眩しいのに、心は晴れなかった。
昨日、拓也と一緒に歩いた帰り道を思い出すたび、胸がざわめく。
彼の差し出した傘の温もりは、まだ消えずに残っていた。
「片山」
呼びかけられて顔を上げると、颯真が笑顔で立っていた。
明るい光を背に受けて、いつもの人懐っこさが際立っている。
「お昼、一緒にどう? 新しくできたカフェ、気になってたんだ」
「え、でも混んでるんじゃ……」
「大丈夫、俺が予約しておいたから」
そう言って笑う顔に、思わず胸が温かくなる。
私は頷き、颯真に連れられてオフィスの外に出た。
カフェの窓際の席。
木目調のテーブルの上には、彩りのいいランチプレートが並ぶ。
颯真はフォークを手にしながら、真剣な眼差しを向けてきた。
「片山、最近元気ないよな」
「……そんなことないよ」
「ある。俺、ずっと見てるから」
視線を逸らせなくなる。
颯真は普段ふざけてばかりなのに、この時ばかりは誠実な声だった。
「俺さ……お前のこと、大事にしたいって思ってる」
「え……」
心臓が跳ねる。
颯真の口から出た言葉に、胸が揺れた。
「誰かに泣かされるの、見たくない。俺なら――」
その先を言おうとした瞬間。
カフェの入口に視線をやった颯真が、ふっと言葉を止めた。
つられて振り返ると、そこには拓也の姿があった。
偶然なのか、それとも。
彼の視線が私たちに注がれ、黒曜石のように鋭く光る。
「……」
言葉にならない沈黙が落ちる。
颯真は苦笑し、フォークを置いた。
「続きは、また今度にするよ」
柔らかな声なのに、どこか切なさが滲んでいた。
私は胸の奥がざわめいて、俯いたまま言葉を返せなかった。

