私の実家のカルマン公爵家の名誉は失墜してるから、帝国との交渉に私の存在は役に立たない。
やはり、魅了の力を使うことを期待されているとしたら悲しい。
「エレノア、あなたの婚約破棄をしたい理由はあなたがサム国の価値観に寄り添おうとしただけですよね。私の1年間の変化を見て判断してくれると言ってませんでしたか? エレノアは初対面の印象をずっと引き摺る方ですよね。あなたはアラン皇帝陛下を語る時は、彼を悪魔皇帝のように語ります。初対面で老齢の貴族を跪かせていて、周りの全ての人が彼を好いているのが怖かったと言ってました。今、彼はとても良い君主だと周りから尊敬されていますよね。でも、あなたの彼に対する評価は全く覆りません。初対面でエレノアに失礼な態度をとったことは謝ります。でも、ちゃんと約束通り私の1年間の変化を見て審判してくれませんか?」
レイモンドが私の隣に来て、私の手を握りながら話してくる。
黒髪から覗く海色の瞳が悲しそうな彼の気持ちを表現している。
「申し訳ございません。レイモンドの言うとおりです。私にそんなことを指摘してくれたのはあなたが初めてです。レイモンドは人の本質を見る目がありますね。それは上に立つ人間に絶対持っていて欲しい能力だと私は思っています」
彼に言われたことは、まさに私の本質をついていた。
やはり、魅了の力を使うことを期待されているとしたら悲しい。
「エレノア、あなたの婚約破棄をしたい理由はあなたがサム国の価値観に寄り添おうとしただけですよね。私の1年間の変化を見て判断してくれると言ってませんでしたか? エレノアは初対面の印象をずっと引き摺る方ですよね。あなたはアラン皇帝陛下を語る時は、彼を悪魔皇帝のように語ります。初対面で老齢の貴族を跪かせていて、周りの全ての人が彼を好いているのが怖かったと言ってました。今、彼はとても良い君主だと周りから尊敬されていますよね。でも、あなたの彼に対する評価は全く覆りません。初対面でエレノアに失礼な態度をとったことは謝ります。でも、ちゃんと約束通り私の1年間の変化を見て審判してくれませんか?」
レイモンドが私の隣に来て、私の手を握りながら話してくる。
黒髪から覗く海色の瞳が悲しそうな彼の気持ちを表現している。
「申し訳ございません。レイモンドの言うとおりです。私にそんなことを指摘してくれたのはあなたが初めてです。レイモンドは人の本質を見る目がありますね。それは上に立つ人間に絶対持っていて欲しい能力だと私は思っています」
彼に言われたことは、まさに私の本質をついていた。



