休暇中の御曹司と出会ったら、愛され過ぎてもう無理です。

それから青崎さんは古賀さんと一言だけ交わして、私たちの元から去ろうとする。

その行動を見て、初めて私の喉は声を出してくれた。

「青崎さん……!」

青崎さんが振り返って、また私と目が合う。


「あの、私のことも考えて下さってありがとうございました……!」


一応お礼を言ったはずなのに、青崎さんはわざとらしくため息を吐いた。

「ここでお礼を言う女性でしたか。その素直さはこれから苦労しそうですね……」

そこで暫く会話を見ていた古賀さんが楽しそうに口を開いた。



「夏奈ちゃんって可愛いでしょ?」



「はぁ……凌介はしっかりしろよ?」

「俺は夏奈ちゃんもしっかりしていると思うけれど……まぁ、そこまでお前に教えてやるのは勿体無いからやめておく。夏奈ちゃんの良さに気づくのは俺だけで良いし」

「俺は惚気を聞きに来たんじゃなくて、お前の秘書として来たんだけどな」

青崎さんがぶつぶつと文句を言いながら、私と古賀さんから離れていく。