休暇中の御曹司と出会ったら、愛され過ぎてもう無理です。

「今村さん。私は自己紹介の時に古賀との関係性を言うことの出来ないような女性は、パートナーに相応しくないと思います」

きっと青崎さんは私が「古賀さんと付き合っている今村 夏奈」と言っていないことに気づいている。

だって今の私と古賀さんの関係性を言葉にするとしたら、「ただのお隣さん」しかないのだから。

自己紹介の時にそんなことを言う勇気はなくて……もっと言えば「知人」とも言えなくて、名前しか名乗らなかった私の感情を見透かしている。

自信満々に古賀さんの手を退()かしたくせに、肝心の部分で度胸が決まっていないことを見透かされている。

でも……私はいま「ただのお隣さん」として古賀さんの隣に立っている。

それ以上でも、それ以下でもないことも事実で。

だから私は青崎さんにもう一度自己紹介をすることにした。




「青崎さん、もう一度自己紹介させて下さい」




私の言葉に青崎さんの表情にピリッと緊張が走ったのが分かった。