休暇中の御曹司と出会ったら、愛され過ぎてもう無理です。

私は視界を(おお)っている古賀さんの手をそっと動かした。

「夏奈ちゃん?」

古賀さんに「心配要らない」と伝えるように目を合わせて軽く頷く。

私は古賀さんの秘書の方に一歩近づいた。

「初めまして。今村 夏奈です」

古賀さんの秘書は私の自己紹介に冷静に返した。

「初めまして。古賀の秘書の青崎 悠河です」

私が次の言葉を紡ごうとした瞬間、青崎さんはまるでその言葉を(さえぎ)るように先に口を開いた。