休暇中の御曹司と出会ったら、愛され過ぎてもう無理です。

古賀さんの秘書は、私から目を逸らさずに顔をじっと見つめている。

見定めるように全身を見るわけでもなく……ただ私から目を逸らさない。

まるで私の度胸を試しているかのように。

私は目を逸らすことはしなかったが、しっかりと見つめ返すことも出来ず……ただただ何とか目を合わせられているだけだった。

そんな私の視界が急に何かに(おお)われる。

すぐにそれが古賀さんの手だと分かった。

古賀さんはまるで私に『目を合わせる必要はない』とでも伝えるように、私の視界を隠している。

凌介(りょうすけ)、その子を紹介してくれるんじゃなかったのか?」

古賀さんの秘書は、古賀さんを名前で呼んだ。

古賀さんが男子高からの友達だと言っていたから、(おおやけ)の場以外では名前で呼んでいるのだと感じた。