休暇中の御曹司と出会ったら、愛され過ぎてもう無理です。

ああ、本当にズルい。

私ばっかりが古賀さんのペースに乗ってしまっている気がする。

悔しいから、私は素直に今の気持ちを言ってやった。

「行きますよ。これでも、可愛いドレスとヘアセットはいつかしてみたかったので。でもまだ私の気持ちが固まっていないのに、古賀さんの秘書に会っても良いのですか?」

「良いよ。この先、夏奈ちゃんがどんな答えを出すにしても、顔を見せてくれると嬉しい。顔を見せたから断りにくいとかも思う必要は一切ない。俺の秘書は長い付き合いだから、『ただ俺の好きな人』を紹介したいだけ」

「っ……! 古賀さんって駆け引きが上手なんじゃなくて、口が上手いだけじゃないですか!?」

照れ隠しでそんな失礼なことを口走る自分に嫌気が差す。

そして、すぐに罪悪感で「どうしよう……」と焦ってしまう。

そんな私の横に古賀さんが近づいてきて、ヘアメイクさんに聞こえないように私の耳元で呟いた。





「照れ隠しをすればするほど、可愛いだけだよ?」





古賀さんの甘さを感じる度に、今日一日すら甘さに耐えられるのか心配になる。

だって、きっと今の私は人に見せられない表情をしているから。