私がいなくなった後に、鳴ったのは彼のスマホ。
もう私はゴミ捨て場に一直線なので、彼が誰と会話しているかなんて分かるはずもなければ、会話すら聞こえない。
「はい。どうした?」
『古賀さん? なんか嬉しそうな声ですね』
「あー、なんか可愛い隣の部屋の子と鉢合わせた。で、『可愛いね』って言ったら怪訝そうに去って行かれたよ」
『はぁ……当たり前でしょう。初対面ですよ?』
「ははっ、そうだった。なんか大きいゴミ袋を必死に持っている姿がリスみたいで可愛くて」
『ゴミ袋を持つリスなんていませんよ。それより、ちゃんと休んでますか?』
「休んでいるよ。これが会社を継ぐ前の最後の休暇だからね。多めに休みを取ってくれたこと、感謝しているよ」
『三週間も古賀さんの休みを空けた秘書の僕を褒めて欲しいくらいです。ましてや、古賀さんがのんびり出来るように知人に頼んで会社から離れた部屋も借りたんですからね。三週間が過ぎても使って下さいよ!?』
「はいはい、分かっているって。いつも感謝しているよ」
そう、もちろん私には電話の声は聞こえていない。
つまり、彼が……古賀さんが本当は忙しすぎる人だと私は知らない。
もう私はゴミ捨て場に一直線なので、彼が誰と会話しているかなんて分かるはずもなければ、会話すら聞こえない。
「はい。どうした?」
『古賀さん? なんか嬉しそうな声ですね』
「あー、なんか可愛い隣の部屋の子と鉢合わせた。で、『可愛いね』って言ったら怪訝そうに去って行かれたよ」
『はぁ……当たり前でしょう。初対面ですよ?』
「ははっ、そうだった。なんか大きいゴミ袋を必死に持っている姿がリスみたいで可愛くて」
『ゴミ袋を持つリスなんていませんよ。それより、ちゃんと休んでますか?』
「休んでいるよ。これが会社を継ぐ前の最後の休暇だからね。多めに休みを取ってくれたこと、感謝しているよ」
『三週間も古賀さんの休みを空けた秘書の僕を褒めて欲しいくらいです。ましてや、古賀さんがのんびり出来るように知人に頼んで会社から離れた部屋も借りたんですからね。三週間が過ぎても使って下さいよ!?』
「はいはい、分かっているって。いつも感謝しているよ」
そう、もちろん私には電話の声は聞こえていない。
つまり、彼が……古賀さんが本当は忙しすぎる人だと私は知らない。



