休暇中の御曹司と出会ったら、愛され過ぎてもう無理です。

前菜は綺麗に盛り付けられていて、テーブルマナーに詳しくない私はせめて失礼のないようにゆっくりと食べ進めていく。

料理の味は……それはまぁ食べたことがないほどの美味しさと高級そうな味がした。

今の私の心の中は「料理が美味しくて幸せ」「マナーは大丈夫かな?」、それとやっぱり最後は「なんで私を誘ったのだろう?」という疑問が浮かんでしまう。

もちろん古賀さんが言った通り、休暇中で職場の人を誘いづらくて私を誘ったのもあるだろう。

でも、こんなにも世界の違う人と高級店でディナーを食べていると「私で良かったのかな?」と不安になる。

行く前は「一回きりの御曹司とのディナーを楽しんでやる!」とノリノリだったくせに、いざとなると勇気が萎んでしまうのは目の前の古賀さんの所作が綺麗で釣り合っていないのをヒシヒシと感じてしまうからだと思う。

それでも、ここで楽しまないのは誘ってくれた古賀さんに失礼なことも分かっている。