休暇中の御曹司と出会ったら、愛され過ぎてもう無理です。

私が戸惑っていると、古賀さんが「ここのレストランは個室しかないんだ」と嘘か本当か分からないことをサラッと言って、席に座った。

私の人生では個室しかないレストランは未だ出会ったことがないし、何よりもし個室しかないレストランだったら値段が怖すぎる……。

私は緊張しながら、古賀さんの向かいに座る。

「夏奈ちゃんはイタリアンは好き?」

「好きですけれど……」

すると、古賀さんに私の緊張が伝わったのが、古賀さんがまるで子供をあやすように優しい表情を私に向ける。

「俺が誘ったんだから大丈夫だよ。それにもし値段が気になるなら、前も言ったようにおすすめの本を教えて。それと、もし良かったら貸して欲しいな」

「それは全然貸しますけれど……釣り合ってないですよね!?」

「夏奈ちゃんのおすすめの本が読めるなんて、確かに俺の方がもっと何かしないと釣り合わないかもね」

「!?!? 何を言っているんですか!」

あまりの古賀さんの返答の上手さに私の心の中は大慌てだった。

古賀さんの駆け引きが上手すぎて怖すぎるよ……このレベルで駆け引きが上手くないといけないのなら、私には絶対に経営者は絶対に出来ない。

そんなことを考えていると、私の中である不安がポンと浮かんだ。