この気持ちを伝えたいだけですから！

「あ、もう帰らないと……」

私がそう呟くと、日野くんが急に私にもう一歩近づいた。





「音痴でも楽しそうに歌っているところも好きだし、黒板を消すのすら楽しんでいるところも好きだし、昼休みの時にお弁当に集中してて友達の話を聞き逃しているところも好きだし、当たり前に人に優しいところも、笑顔が可愛いところも好き」

「それと告白しようと思った一番の理由は……今日金曜日でしょ？　金曜日に月曜日まで中野さんに会えないの寂しいなって思うようになったから」






「っ！？　急に告白上手くなりすぎじゃない！？」






「え、素直な気持ちを伝えただけなんだけれど」


「っ！　最高か！」


「あ、ちなみに音痴も素直な気持ちだから」


「最後だけ余計な一言すぎるっ！」


日野くんが最後に私に問う。