この気持ちを伝えたいだけですから!

金曜日の放課後、私は誰もいない教室で鼻歌を歌っていた。

日直の仕事で黒板を消しながら。


「ふんふーん、ふふーん」


後ろでクラスメイトの日野くんに聞かれていることに気づかずに。

「中野さんって、音痴だよね」

「ぎゃぁああ! え! え!? 日野くん、いたの!?」

「うん、中野さんに告白しようと思って待ってた」