今日、私は同じ中学の同級生「坂木(さかき) 翔也(しょうや)」と花火大会に来ている。

よく漫画や小説で、花火の音で大事な言葉が偶然かき消されて聞き取れない時ってあると思う。

でも、坂木くんは『故意』だった。



「うん? 坂木くん、何か言った?」



美園(みその)、俺がなんて言ったか当てて」



「はい?」



「その後にこの手紙を開けてほしい」



それは、真面目で頭が良い坂木くんからの意味不明な挑戦状だった。