「シオン! 本当に宮廷魔導師をやめるのか!」
未練がましくも尋ねるローレンス殿下。
シオン様はゆっくりと頷いた。
「殿下はお気づきでしたか? 同期の中で私だけが未だに下級魔導師だ。無能な私は不要でしょう?」
淋しげに微笑むシオン様に、私の心はキュンとなる。
「しかし、ルピナ嬢は私の才能が必要だと言ってくれた。必要としてくれる人がいるのなら、そこで力を使いたい」
「俺だって、お前が必要だ!」
「私もです! 先生」
ふたりの言葉にシオン様は微笑んだ。
「ありがとう。ふたりは私にとっても大切な友人だ。私が宮廷魔導師をやめたとしても、それに変わりはない」
シオン様の言葉にふたりは茫然とした。
シオン様が宮廷魔導師をやめてしまったら、今までのようには気軽に頼み事ができなくなってしまうと思っているのだ。



