私は苦々しく思う。
(本当に無神経……。ふたつ並んだ指輪を見て、シオン様がどう思うか想像もつかないの?)
私はシオン様が傷ついていないかと、チラリと横顔を盗み見た。
シオン様は小さくため息をつくと、エリカの左手を取った。
エリカは安心したようにホッとため息をつき、頬を赤らめる。
「……やっぱり、先生は不本意だったんですね」
私は俯いた。
「いや、違う。私の意志だ」
シオン様はそう言うと、エリカの指から指輪を引き抜いた。そして、自分の指輪も引き抜くと、魔法でふたつの指輪を宙に浮かし、指を鳴らした。
指が鳴ると同時に、指輪はバラバラに砕ける。
キラキラと輝く星屑のように、指輪は粉々になって床に散らばった。
(シオン様にとって大切な指輪なはずなのに!)
私はその様子が信じられずに息を呑んだ。



