天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

「おふたりとも聞きまして?」

 フフンと鼻を鳴らして、見くだすように思いっきりのけぞった。

 ローレンス殿下とエリカは慌てた様子でシオン様に詰め寄る。

「なんと言って脅されたんだ!」

「洗脳でもされているんですか?」

 ふたりは深刻な顔をしてシオン様に尋ねる。

「脅迫も洗脳もされていない。私が自らルピナ嬢の夫となった」

 キッパリと言い切るシオン様が凜々しくて、私は鼻血が出そうでヒヤヒヤである。

「なぜだ! シオン!!」

「嘘ですよね? だって、指輪の連絡が途絶えたってことは、監禁されていたのでしょう? 本当に望んで結婚したならそんなことはないはずです!」

 エリカは自分の左手をシオン様に見せつけた。シオン様の指輪の隣には、ローレンス殿下が贈った婚約指輪が輝いている。

 シオン様はそれを見て、眉根を寄せた。