天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「シオン! 大丈夫だったか! 悪女に攫われ大変だったな」

「シオン先生! 私たち、助けに来たんです。もう大丈夫です。一緒に帰りましょう」

 ローレンス殿下とエリカが微笑み、シオン様に駆け寄った。

 シオン様は緩く頭を振る。

「私はルピナ嬢と結婚した。ここが私の家だ」

 シオン様の言葉に、ふたりはピタリと固まった。

「は?」

「……うそ……」

 私はシオン様の言葉が信じられず、マジマジと広い背中を見つめるだけだ。

 シオン様は振り向くと無表情で私の隣に並んだ。