天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「では、そちらの部門に行きたいものを募りますね」

「ええ。宮廷内だからいじめられないようタフな子がいいわ。ちゃんと教育をしてから送り出してね」

「では、貴族の使用人を経験したことのあるものを中心に教育します」

「面倒な仕事になると思うから給料は多くつけてやって」

「承知いたしました」

 私が指示を出すと、商会内がワッと盛り上がる。

「給料が多いのはいいな!」

「宮廷の作法を教えてもらえるなら立候補したい」

 あとはカンナに任せて商会を出た。

 その後、街の中を一回りした。

 王都には、ループス商会が経営する店が何店かあるのだ。それらを見てまわる。店の名前に商会の名は冠していない。悪徳商会と同列にされないためのイメージ戦略だ。もちろん、調べればループス商会が母体だとわかることではあるが、そこまで調べる消費者は少ない。

 どの店も混んでいる。

 お客さんたちの笑顔も満開だ。

 私はそれらを見て満足する。

 商会の悪評よりも、顧客が幸せならそれでよいのだ。

「うん、商売は問題なさそうね」

 一安心して空を見上げると、カラスが空を渡っていった。

 今日はいやに目につくカラスの姿。

「……なんだか嫌な予感がするわ……。早く家に戻りましょう」

 私は胸騒ぎがして、家に戻ることにした。