天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「あの店の者をこちらに寄越す件ですか?」

「ああ。あの店は便利なんだが、毎度出向くのも面倒だからな」

「駐在できるように、支店を開設させてくださればよいですわよ」

 私は軽く答えるが、王宮内に支店を開設させるなど、無理筋だとわかっている。

 しかし、要求せずに諦める必要はない。断られたとしても、特に損はないのだ。

 お兄様は少しだけ考えるそぶりを見せた。

「わかった、ひと部屋手配しよう」

 簡単に了承し、私のほうが呆気にとられる。

「本当ですの?」

「ああ、効率化を考えればそちらがいい」

 お兄様はサラリと答えた。

「ところで、駐在の責任者はルピナか?」

 私はお兄様の唇に人差し指を当てウインクをする。