天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~

 人事部門の長官は私の兄である。

 人事部門のドアは礼儀正しくノックする。メイドが扉を開き、兄のもとへと案内してくれる。

「ああ、ルピナ、よく来たな」

 お兄様は一番奥にある立派なマホガニーのデスクから立ち上がった。

「お兄様!」

 私はにこやかに微笑むと、小走りで駆け寄った。

「コラ! ルピナ、はしたないぞっ!」

「だって、お兄様に早く会いたかったんだもの」

 答えると、お兄様はデレリと相好を崩した。

(お兄様、チョロすぎるわ。こんなんじゃ悪い女に騙されるわよ)

 私は内心心配である。