天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


「同意の上だわ」

「そんなわけ、ありません!」

「なぜわかるの?」

「だって、シオン様はそんな人じゃないって私は知ってます!! 私にだけはわかるんです!!」

 食ってかかるエリカだ。

(こういう……「私だけはあなたを理解する」みたいな言い草は甘い蜜よね……。シオン様もこれにやられたのよ。でもね、それを他人が聞いたらどう思うかしら?)

 意地悪心が芽生えてしまう。

「あら? 『私にだけ』なんてまるで特別な関係にあったみたいね?」

 私が言えば、ローレンス殿下は焦った表情でエリカを見た。

 エリカは顔を真っ赤にしブンブンと頭を振る。

「違います! シオン様は私の先生で……、恋愛感情なんてもちろんないです! だから、誤解しないで! 殿下!」

「……あ、ああ、もちろんだ……」

 ローレンス殿下は動揺しつつ答える。