「……私には言えないのか?」
シオン様が、雨の日に捨てられた子犬のような眼差しを私に向けた。
(あああああ。もう、無理……。美しくて格好良くて……可哀想可愛いとか、完璧すぎるでしょ……!!)
私は観念して、しぶしぶだがすべてを白状することにした。
「……エリカを庇ったわけじゃありません。私は、エリカの花占いの内容を勘違いしていたんです」
「勘違い?」
「エリカはローレンス殿下と自分の未来を占ったんだと思っていました」
原作ではそうだったからだ。ルピナの悪意によって、ふたりの未来に不安を覚えたエリカは、禁忌の占いに手を出した。それによって起こった凶事を、シオン様が自分の罪として肩代わりしたのだ。だから、それを阻止したかった。
シオン様は小首をかしげる。
「それがなんだというのだ」
「……それを知ったら、シオン様が傷つくと――思ったんです……」
私は俯き、布団をギュッと握りしめた。



