「だって、だって、だって、私とは契約結婚で、だから夫婦といえどもそんな不埒なことは考えてもいけなくて」
私の言葉を聞いて、シオン様は淋しそうに小首をかしげる。
「破婚のままで良かったと言うことか? 私は余計なことをしたか?」
「!! いいえ!! そんなことはありません! まさか私の無実を証明してくれるとは思っていなかったので嬉しかったです!!」
私が答えると、シオン様は肩をすくめた。
「夫なら当然だろう?」
その答えに眩暈を感じる。どう考えても夢の続きである。
「ただ、ひとつ、不思議だったのだ。君とエリカは特段仲が良かったわけでもないだろう? それなのに、なぜエリカの罪を被ろうとした?」
鋭い問いに私は顔を背ける。
「べ、べつに、エリカを庇ったわけじゃなく、その、誰も私を信じなかっただけで……」
「信じるもなにも、君はエリカのことを口にもしなかっただろう?」
さらに突っ込まれ、私は「ウッ」と口を噤んだ。



