天才魔導師の悪妻~私の夫を虐げておいて戻ってこいとは呆れましてよ?~


 その思いは本物だと体中から溢れているのに、かたくなに一線を引く。

 その理由はわからないが、彼女が線を引くというならば私がその線を乗り越えるしかない。

(今までだったら拒絶が怖くて、そんな勇気は出せなかった。でも、ルピナのことは疑う必要がないと信じられる)

 私は大きく深呼吸をして、神官たちに深々と頭を下げた。

「私とルピナとの結婚をお認めください」

「シオン様!?」

 悲鳴に近いルピナの声が聞こえた。

 私は顔を上げルピナを見る。

 半泣きの表情は今まで見たことない顔で、それも愛おしい。

 私はルピナの前に歩み出て片膝をついた。